ついに、私は歯列矯正を途中でやめてしまった。あれほど憧れて、一大決心で始めた矯正ライフだったのに、まさかこんな結末を迎えるなんて。ブログで経過を報告するなんて言っておきながら、フェードアウトする形になってしまって、読んでくれていた人には本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだ。やめたいと思い始めたのは、治療開始から1年が過ぎた頃だったかな。最初の頃は、多少の痛みや不便さも「綺麗になるためだもんね!」ってポジティブに捉えられていた。でも、だんだんそのポジティブさが薄れてきて、毎月の調整日のたびに感じる締め付けられる痛み、硬いものが食べられないストレス、そして何より、見た目のコンプレックスだったはずの歯並びが、今度は矯正装置のせいで別の意味でコンプレックスになってしまっていることに気づいてしまったんだ。友達と食事に行っても、私だけ食べるのに時間がかかったり、装置に食べ物が挟まるのを気にしたり。思いっきり笑うことすら躊躇するようになっていた。「いつ終わるんだろう」という焦りと、「本当に綺麗になるのかな」という不安が、日に日に心を蝕んでいった。担当の先生はすごく良い人だったけど、私のこのネガティブな気持ちを打ち明ける勇気はなかった。弱音を吐いているみたいで嫌だったし、「みんな頑張っているのに」って思われるのが怖かったんだ。だから、次の予約をキャンセルして、そのまま行かなくなってしまった。本当にダメな患者だと思う。装置を外してもらったわけではないから、まだ口の中にはワイヤーとブラケットがついたまま。最初は、これで痛みから解放される!って思ったけど、すぐに後悔の波が押し寄せてきた。まず、歯がグラグラするような感覚があって、明らかに後戻りし始めているのが分かった。せっかく動いた歯が、すごい勢いで元の位置に戻ろうとしている。鏡を見るたびに、時間とお金を無駄にしてしまった罪悪感で胸が苦しくなる。食事は確かに楽になった。好きなものを好きな時に食べられる。でも、噛み合わせがなんだかおかしい。ちゃんと噛めていない感じがするんだ。そして何より、中途半端な状態で放置しているこの歯を、いつかちゃんと治さないといけないというプレッシャーが常につきまとう。やめてみて分かったのは、矯正治療って本当に根気が必要だってこと。そして、自分一人で抱え込まずに、辛い時はちゃんと先生に相談するべきだった。