歯列矯正治療中に食事制限などで体重が減少し、治療終了後に元の食生活に戻った途端に体重がリバウンドしてしまった、という経験を持つ方もいるかもしれません。せっかく綺麗な歯並びを手に入れたのですから、体型も維持したいと考えるのは自然なことです。矯正終了後にリバウンドしないためには、どのような食生活を心がければ良いのでしょうか。まず大切なのは、矯正治療中の食生活の変化を「良い機会」と捉え、それを継続することです。例えば、矯正中に間食が減ったのであれば、その習慣をできるだけ維持するよう努めましょう。お菓子やジュースなどの嗜好品は、完全に断つ必要はありませんが、摂取する量や頻度をコントロールすることが重要です。また、矯正中は柔らかいものを中心に食べていたかもしれませんが、治療後はしっかりと噛むことのできる様々な食材を楽しめるようになります。この「噛む」という行為は、満腹中枢を刺激し、食べ過ぎを防ぐ効果があると言われています。野菜や海藻、きのこ類など、食物繊維が豊富で噛み応えのある食材を積極的に取り入れ、よく噛んで食べることを意識しましょう。バランスの取れた食事を心がけることも基本です。主食(ご飯、パン、麺類)、主菜(肉、魚、卵、大豆製品)、副菜(野菜、きのこ、海藻類)を揃え、様々な栄養素を偏りなく摂取するようにしましょう。特に、タンパク質は筋肉を維持するために重要であり、代謝を上げる効果も期待できます。極端な食事制限は、一時的に体重が減ってもリバウンドしやすく、また健康を損なう可能性もあるため避けるべきです。食事を楽しむことは人生の大きな喜びの一つです。矯正治療によって得られた美しい歯並びと健康的な噛み合わせを活かし、様々な食材を味わいながら、無理のない範囲で健康的な食習慣を身につけていくことが、リバウンドを防ぎ、長期的に心身ともに健やかな状態を維持するための鍵となるでしょう。
矯正終了後リバウンドしないための食生活