私が歯列矯正を始めたのは、長年の夢だった綺麗な歯並びを手に入れるためでした。治療開始前には、先生から「矯正中は歯磨きが難しくなるので、歯肉炎に注意してくださいね」と何度も言われていました。自分なりに気をつけていたつもりでしたが、治療開始から数ヶ月経った頃、歯磨きのたびに歯ブラシに血がにじむようになりました。そして、歯茎がなんとなく腫れぼったく、赤くなっているのに気づいたのです。「これが歯肉炎か…」と少しショックを受けました。矯正装置の周りは本当に食べ物が詰まりやすく、特にワイヤーの下やブラケットのキワは、普通の歯ブラシだけではなかなか綺麗に磨けていなかったようです。慌てて歯科医院に相談すると、歯科衛生士さんが改めて正しい歯磨きの方法を丁寧に教えてくれました。歯ブラシの当て方だけでなく、歯間ブラシや先が細くなったタフトブラシの重要性を再認識しました。それからは、毎食後、鏡を見ながら時間をかけて歯磨きをするようになりました。特に夜寝る前は、歯ブラシ、歯間ブラシ、タフトブラシ、そしてデンタルフロスと、フルコースでケアするのを日課にしました。最初のうちは面倒に感じることもありましたが、出血が徐々に減り、歯茎の腫れも引いていくのが分かると、それが嬉しくて続けられました。また、定期的な歯科医院でのクリーニングも非常に効果的でした。自分では落としきれないプラークや歯石を専門的に除去してもらうことで、歯茎の状態が格段に良くなりました。矯正治療と歯肉炎との戦いは、根気と丁寧さが求められるものでしたが、適切なケアを続ければ必ず改善するということを身をもって体験しました。もし今、矯正中の歯肉炎で悩んでいる方がいたら、諦めずに歯科医師や歯科衛生士に相談し、正しいケア方法を身につけて実践してほしいと思います。綺麗な歯並びと共に、健康な歯茎も手に入れられるはずです。