「歯列矯正の確定申告?面倒くさそうだし、どうせたいして戻ってこないでしょ」。一年前の私は、本気でそう思っていました。高額な矯正費用を支払った直後で、少しでも足しになればとは思いつつ、税金の手続きと聞いただけでアレルギー反応が出るタイプ。でも、重い腰を上げて挑戦してみた結果、私は声を大にして言いたい。「やらないと、絶対に損!」だと。私の矯正費用は、検査や装置代で初年度に約80万円。会社員である私の年収は約400万円です。まずは、恐怖の領収書整理からスタート。クリアファイルに投げ込んでいたレシートや領収書を日付順に並べ、交通費のメモと突き合わせる作業は、正直、骨が折れました。でも、ここが一番の山場でした。次に、おそるおそる国税庁の「確定申告書等作成コーナー」にアクセス。e-Taxでの挑戦です。最初は専門用語に戸惑いましたが、画面に出てくる「?」マークをクリックすると丁寧な説明が表示され、源泉徴収票を片手に入力していくと、意外にもサクサク進みます。一番時間がかかった医療費の入力も、整理しておいた領収書のおかげで、思ったよりスムーズでした。全ての入力を終え、計算結果が表示された瞬間、私は思わず「おぉ…」と声を漏らしました。還付される所得税額は、約7万円。さらに、翌年度の住民税も年間で約7万円安くなる計算です。合計で約14万円。これは、私が「面倒くさい」の一言で諦めかけていた金額です。この還付金で、ずっと欲しかった少し高価なカメラを買い、残りは次の調整費に充てることができました。何より、自分の力で手続きをやり遂げたという達成感と、国の制度を賢く利用できたという満足感は、金額以上の価値があったように思います。歯列矯正という大きな決断をしたあなたへ。その努力の対価は、美しい歯並びだけではありません。確定申告という「やり方」を知っていれば、金銭的なボーナスも手に入れることができるのです。少しの手間を惜しまず、ぜひ挑戦してみてください。その先には、きっと「やって良かった」と思える未来が待っています。