歯列矯正リテラシー

2025年8月
  • アンカースクリューで歯を効果的に上に上げる

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    歯列矯正治療において、歯を三次元的に精密にコントロールすることは、理想的な歯並びと噛み合わせを実現するために非常に重要です。特に、歯を歯茎の方向に沈み込ませる「圧下」という動きは、従来の方法ではコントロールが難しく、治療の限界があるケースも少なくありませんでした。しかし、近年「アンカースクリュー(歯科矯正用アンカースクリュー、ミニインプラントとも呼ばれる)」という画期的な装置が登場したことで、この圧下治療の精度と効率が飛躍的に向上しました。アンカースクリューとは、主にチタン製の小さなネジのことで、これを局所麻酔下で歯茎の骨(歯槽骨)に埋め込み、矯正治療における「絶対的な固定源」として利用します。従来の矯正治療では、奥歯など比較的動かしにくい歯を固定源として他の歯を動かしていましたが、固定源とした歯も少なからず反作用で動いてしまう(固定源の喪失)という問題がありました。しかし、アンカースクリューは骨に直接固定されるため、反作用で動くことがほとんどありません。これにより、目的の歯だけを意図した方向に、より正確かつ効率的に移動させることが可能になったのです。歯を上に上げる圧下治療において、アンカースクリューは特にその威力を発揮します。例えば、ガミースマイルの改善のために上の前歯を圧下させたい場合、前歯の上方の歯槽骨にアンカースクリューを埋め込み、そこから前歯に装着したブラケットやワイヤーにエラスティックゴムやスプリングを連結して、持続的に引き上げる力を加えます。これにより、周囲の歯に不要な影響を与えることなく、目的の前歯だけを効果的に圧下させることができます。また、下の歯が伸び出してしまった「挺出歯」の圧下や、深い噛み合わせ(過蓋咬合)の改善などにもアンカースクリューは有効です。アンカースクリューの埋め込みは、短時間で済む比較的簡単な処置であり、除去も容易です。もちろん、全ての症例でアンカースクリューが必要となるわけではありませんが、圧下治療の成功率を高め、治療期間の短縮にも貢献する非常に有用なツールと言えるでしょう。

  • 私の短期間での歯列矯正体験談!笑顔への近道

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    子供の頃から少し気になっていた前歯のわずかなズレ。日常生活で大きな支障はなかったものの、写真を撮る時や人と話す時に、無意識に口元を隠してしまう自分がいました。歯列矯正には興味がありましたが、長い期間装置をつけることへの抵抗感や、見た目の問題、費用のことなどを考えると、なかなか決断できずにいました。そんな時、友人から短期間で終えられる歯列矯正があると聞き、俄然興味が湧いたのです。早速、いくつかのクリニックでカウンセリングを受け、私の場合は部分的な矯正で対応可能であり、比較的短い期間で治療が完了する見込みだと説明を受けました。担当の先生はとても親身に話を聞いてくださり、治療方法の選択肢やそれぞれのメリット、デメリット、費用、期間について丁寧に説明してくれました。最終的に、透明なマウスピース型の装置を使用する部分矯正を選びました。治療が始まると、最初の数日は多少の違和感や締め付けられるような感覚がありましたが、すぐに慣れました。食事の時以外は常に装着している必要がありましたが、見た目にはほとんど分からず、周囲に気づかれることも少なかったです。定期的な通院で歯の動きを確認し、マウスピースを交換していくうちに、少しずつ歯並びが整っていくのが実感でき、鏡を見るのが楽しみになりました。そして、予定よりも少し早く、約半年で治療は完了しました。装置を外した時の感動は今でも忘れられません。長年のコンプレックスだった歯並びが綺麗に整い、心から笑えるようになったのです。以前よりも自分に自信が持てるようになり、人とのコミュニケーションもより積極的に楽しめるようになりました。短期間の歯列矯正は、私にとってまさに笑顔への近道でした。もちろん、治療期間や効果には個人差があると思いますが、もし歯並びで悩んでいる方がいたら、一度専門医に相談してみることを心からお勧めします。